Q 軒灯看板(のきとう・かんばん)
美しいあかりに惹き込まれるように
お客さまがお店にどんどん入ってきます
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真上から撮影 | 横倒しでの撮影したところです 底面補強のためパイプの足をつけています 電気のコードは防水になっています |
100%銅板だけを使い、はんだで一枚一枚を張り合わせて全体を組上げていきます。本体の仕上げには、頂上に擬宝珠(ぎぼし)を取り付けます。
この擬宝珠作りがまた非常に難しい。高度な経験と技術が要求されます。
何度も言いますが、こらはただの真平らな板を「なめし」(熱を加えるという意味)て叩いて延ばして作るものです。
この延ばし作業がまた(要)熟練なのです。
板はもともと薄いものですからこれに熱を加えて金槌で「トントン」叩いて延ばしていくと板に極端に薄い所が出来てきます。(0.0何ミリの世界です)
それに気付かずに叩き続けるとその個所の板が薄くなり過ぎて破れて穴が開いてしまう。穴が開いたら全てがパア。
もう一度最初から新しい板を叩き直しです。
一枚の平らな板に「丸み」をつけるというのはそれだけ職人にとって本当に技術が要求されるところなのです。
きれいな膨らみを出す「擬宝珠(ぎぼし)作り」は職人の腕が一番試されるところなのです。
(大事なポイントです)
モノつくりの上手か下手かはここを見る!
こういうところが一流の仕事なのです。
銅という金属の性質を知りつくしていないと出来ない仕事とはこういう事だ!
こういう品物の出来栄えの良し悪しは「はんだ」の付け方(・・これを専門用語で半田を「まわす」と言います)を見れば一目で分かります。
半田をまわした跡が外側から一切見えないように内側できちんと処理がされてあるのが一流職人の仕事です。
この写真をよくご覧下さい。
まっ平らな銅の板をそれぞれハサミで切り抜き半田で張り合わせて作ったものなのにまるで一体物のように繋ぎ目が全く見えません。
これが一流、熟練の仕事です。見た目には何で銅板どうしをくっつけているのか全くわからないようになっています
これをもし慣れない下手な職人がやると銅板を半田でつないだ「繋ぎ目」の跡が全て表面に白く浮き出て線状に残る。
半田の白い跡が表面に出ていると非常に見た目が汚らしい。いかにも銅板の「つぎはぎだらけ」のような不恰好な見た目になる。
看板の不細工(ぶさいく)さは当然、お店の格をも落とす結果になる
銅板は雨に打たれて徐々に錆びていき、自然に緑青(ろくしょう)が吹いた味わい深い色に変わっていくのに
半田だけは永久に錆びないのでそこだけ(繋ぎ目に)白い跡がずっと残ったままになる。
物作りの技術の「差」を見分けるのは繋ぎ目の「半田の処理」を見ると誰がみても一目瞭然です。
こういう所を職人の目で注意してよーく見てください。
金属のつなぎ目が見えないという事はほんとうに凄い事なのをお分かり頂けましたか
( 屋号 )
スリガラス面に直(じか)に屋号を黒でデザインすると点灯時に屋号が浮かび上がったように見え、お店に高級な品格を感じさせます。
(屋号の書き入れはデザインの見た目の大きさがありますのでご自身でお願い致します)
( 設置 )
お店の入り口の真上付近、屋根瓦の上に鉄棒で固定します。
一番目立つ所にドカッと鎮座させてください。
この設置作業に関しては、御社施工中の工務店さまかお近くの看板屋さんまでお問い合わせ下さいませ。
![]() 雨風に打たれて3ヶ月も経ちますと銅が緑青を吹き 全体的に黒っぽく味わいの深い色に自然と変化します |
![]() ![]() 屋根の美しくおだやかな曲線美と天から福を授かる擬宝珠(ぎぼし) 四隅(しすみ)の細部に至るまで考え抜かれた緻密な仕事の塊(かたまり)です 擬宝珠(ぎぼし)・・・頂上にあるたまねぎ形をしたものです。 橋の欄干(らんかん)によく見られます。福を呼び福を授かります |